50後半オヤジのオーストラリア一周 アドベンチャーツーリング  ~パース⇒ウルル(グレートセントラルロード)~

2023年11月28日ツーリング

50後半オヤジが一念発起で挑むオーストラリア アドベンチャーツーリング。
2023年9月からオーストラリアに滞在してツーリングを実行。
本番編では、その内容をレポートします。

10/24 ~ 10/29 パース滞在

今日から一週間はグレートセントラルロードに備えてバイクのメンテナンスをするため、民泊に宿泊。
まずはフロントタイヤを交換するため、ネットで調べたバイク専用タイヤショップへ。

タイヤ交換完了。
ついでにオイル&オイルフィルターも交換してもらいました。

新品タイヤになったKLR

後は、エアクリーナーの掃除を実施して2日間で一通りのメンテナンス完了。
予定より早くやるべきことが終わったので、パース観光へ。

街の中心にある世界最大級の公園と言われるキングス・パークへ。

キングス・パークからの景色

6日間の走行距離約100km(Perth近郊)

10/30 パース出発

ここからはエアーズロック、アリススプリングスに向けて東方面へ向かう。
パースからエアーズロックを目指す場合、通常はパースを少し南下して南海岸線のハイウェイを通り大陸の中央辺りまで行き、そこから大陸中央を縦断しているスチュアートハイウェイを北上する。しかし、パースから東に大陸の中央を横断しているグレートセントラルロードを通ればかなりのショートカット。しかし、この道はダートが1,100kmも続く過酷なルートで、激しい波状路面のコルゲーションと一番嫌いな砂深い路面やブルダストのオンパレード。コルゲーションは激しい振動のためパンクやバイクの故障、砂路面やブルダストはハンドルをとられて転倒のリスクがある。
ネットで過去に走行した人の情報を見ても、パンクした、転倒したなど不安になる記事が色々出てくる。
因みに、このルートはオーストラリア原住民(アボリジニ)の集落を通過するため、南オーストラリアとノーザンテリトリーに事前に申請が必要となる。

グレートセントラルロードの起点は、パースから東へ約1,000kmのラバトンという町で2日間かけて移動する。一日目はカルグーリーまで走り、無料キャンプ場に宿泊。

本日の走行距離593km(Perth ~ kalgoorlie) 

10/31 ラバトンに向けて出発

カルグーリーは、南海岸の国道に出る道とラバトンに向かう道への最終分岐点でもある。ラバトンに向かう道に入るとめっきりすれ違う車が減った。おそらくすれ違う車のほとんどはこの区間の住民か関係者なのだろう。

昼過ぎにはラバトンの町に到着。とても小さな町でガソリンスタンドとそのとなりに小さなスーパーがあるくらい。キャラバンパークにテントを張り、ガソリンスタンドでバイクのガソリンタンクと予備燃料を入れるジェリ缶を満タンにした。
明日はいよいよグレートセントラルロードへ入る。

本日の走行距離360km(kalgoorlie ~ Laverton) 

11/1 グレートセントラルロードに突入

早朝、昨夜の夕食のあまりご飯で作っておいたおむすびを食べ出発。
40~50kmほど快適な舗装路を走ったあと、ダートが始まった。

道幅は広く赤茶けたダートが延々と続く

噂通りの激しいコルゲーションに耐えながら走っていると、来ないでと願っていた砂深い路面が突然現れた。フロントタイヤが流されコケそうになる。とっさに足を出し何とか転倒は避けられたが、滑って右へ左に車体が降られるたびに必死にハンドルを操作し立て直しの繰り返し。やっと固い路面に戻ったかと思うとまた急に砂だまりが。急にハンドルを取られるのでヒヤヒヤの連続。
少しでもマシな部分を通るように神経を路面に集中し4車線ぐらいの広い道路を右へ左へと移動しながら走行。油断したら絶対コケるので気は抜けない。しばらく走っていると空が曇りだし雨がパラパラ。雨がひどくなると路面が一気に滑る。それに加え、あちらこちらに稲光がピカピカと発生し始めた。周りには高い木も、もちろん建物もないので雷が自分に落ちやしないかものすごく怖かった。こんな状態が数時間続き、ようやく本日の目的地のロードハウスへ。300kmぶりに建物や人を見て安心して気が抜けたせいもあり、バイクを降りたら足がふらついた。悪路のため緊張のしっぱなしと雨や落雷の恐怖から神経も体もズタボロ状態。
明日以降もこれが続くと考えただけで憂鬱な気分に。途中でやめたくても一度入ると自力で切り抜けるしかない状態。
ロードハウスで給油し、併設されたキャンプ場に宿泊し明日に備える。

厳重管理された給油所

本日の走行距離305km(Laverton ~ Tjukayirla Road House) 

11/2 グレートセントラルロード2日目

朝起きると幸い天気は晴れていた。これで悪路に集中できるが砂漠気候のためいつ天候が変わるか分からないので油断はできない。
天気の良いうちにさっさとテントを撤収し、コーヒーだけ飲んで出発。
本日も悪路と格闘しながら250km先のワーバートンロードハウスに到着。

朝早く出発したせいでまだ時間は昼前。気持ち的には早くこの道を抜けたいという思いから、朝昼兼用の軽食と水分補給だけして、さらに先を目指す。

道路脇には事故や故障で乗り捨てられた車の残骸が数えきれないほどあり、道路の過酷さを物語る。

乗り捨てられた車
横転した車も

悪路を走り続け、そこから230km先のワラクラロードハウスに到着した。

本日の走行距離480km(Tjukayirla Road House ~ Warakurna Road House)

11/3 グレートセントラルロード3日目

昨日までで何とか半分以上は走った。何とか今日で走破したいところだが、この道を走るにあたり一番の悩みの種はノーザンテリトリーに突入することだ。

このグレートセントラルロードは西オーストラリア州とノーザンテリトリー州にまたがり、中でもノーザンテリトリー州側の路面はかなり荒れているとのネット情報がある。パースのスーパーマーケットで買い物した時も駐車場の隣に停まっていた車のドライバーに話しかけられ、どこに行くの?といつもの調子で話しかけられてグレートセントラルロード通ってウルル(エアーズロックのある地名)に行くと答えると、過去に通ったことがあるようで、ノーザンテリトリー州の道は酷い、特に砂が深いと言っていた。一番嫌いな砂深い路面がさらに悪化するようだ。分かってはいるものの、不安を更に煽られた気がする。


過去に走った日本人ライダーのブログにも、転倒したとか、こけないように20km/hで走行して170km進むのに8時間かかったという記事を見たことがある。
これらの情報を耳にしていたせいもあり、今回のアドベンチャーツーリングで最も不安なルートだった。
しかし、ここまで来たので何時間かかろうが行くしかなしと腹を括り、いざ出発。

しばらく走ると目の前に野生のラクダが道を塞いていた。渡り終わるまでしばし見守る。

ラクダの群れが道路を横切る

更に走るとノーザンテリトリーとの州境に。

ノーザンテリトリーとの州境

いよいよ突入、気を引き締めて走りだす。

噂通り、砂が深い箇所が何か所も。バイクは降られ、転倒直前が何度も。
しかし、不思議なことにコケることなくギリギリで立て直しが出来ている。
滑ってもアクセルワークと体重移動でリアタイヤを流しながら走る技を習得したよう。


流石に1,000kmも悪路と格闘したせいもあり、知らないうちにオフロードテクニックもかなり上達したような気がする。それでも砂深い路面はやはり怖い。
集中力をキープし走り続けていると目の前に舗装路が。ものすごくホッとして、思わずヘルメットの中で「やっと終わったー!!」と叫んでしまった。

グレートセントラルロード、ダート1,100km完全走破!!

グレートセントラルロード完走した先にはマウントオルガが見える

ここから少し先に行くとウルル(エアーズロック)に到着。

肉眼で見るとど迫力。これは写真では絶対に伝わらないと思った。生きてるうちに実物を見れて感動。

この日はウルルから少し先の無料キャンプ場に宿泊。

本日の走行距離415km (Warakurna Road House 〜 Curtin Springs Wayside)